読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

神様だってよそ見する

アイドルって凄いなあと思いつつぼんやり生きてる奴のブログです

私はネガティブ妄想族

「ドヨルの妄想族」で使われた写真を使って、私も妄想してみた。
但し私の思考がとことんネガティブなせいか、全く救い無し・後味最悪な話になってしまった。
ここで注意事項なのだが、この話には重岡君の名前の一部を拝借したくせに、重岡君とはかけ離れた性格の男が出てくるので、バッドエンドやクズ男の話を読みたくない方はブラウザバックをおすすめする。
読み進めて頂ける方は、この物語が「妄想」であることを念頭に置いて読んでほしい。

 




写真:不細工な禿げた男が、美女といちゃいちゃしている。男は顔に傷を負っている。



茉莉には毅という彼氏がいる。
毅はいわゆるイケメンで、性格も優しく、仕事も出来る。正にパーフェクトな恋人だった。
しかしある日、突然毅に別れを告げられてしまう。
先週のデートは、ちょっとしたハプニングはあったものの、二人で楽しく過ごしたはず。昨日だって幸せいっぱいのメッセージをやりとりしていた。それなのに、何故急にこんな話になったのか、茉莉には全く分からなかった。
理由を教えて欲しい、と言っても、毅はだんまりを決め込むだけだった。
どうしても理由が知りたかった茉莉は、毅に何度も連絡を取ったが、返事はなしの礫だった。

数週間後、茉莉は周りの人の目が変わっていることに気が付いた。
友達と連絡を取ろうとしても、着信拒否になっていたり、街中で知人を見かけても、あからさまに逃げられてしまう。
どうしてこんなことになったのか、茉莉には全く心当たりがなかった。
混乱する茉莉だったが、ある日毅の友人から連絡があり「言いたいことがある」と言われ、喫茶店に呼び出される。
茉莉が喫茶店に着くやいなや、友人は敵意をむき出しにしてこういった。
「毅は結婚が決まっているのだから、もうアイツに連絡したり、付きまとうのはやめてくれ。お前は毅をどれだけ傷付ければ気が済むんだ」
茉莉は驚くことしかできなかった。呆然とする茉莉をよそに、一方的にまくし立てられた内容はこうだった。

  • 毅には婚約者がいる。
  • 婚約者は妊娠している。
  • 茉莉は毅の元彼女。
  • 茉莉は暴力的な女で、怒るとすぐに暴力を振るう。だから別れた。
  • しかし茉莉はそれに納得せず、毅に付きまとってくる。

茉莉はそんなのは全部でたらめだ、そもそも暴力を振るったことはない、と言ったが、聴く耳を持たれない。
「毅の腕にアザがあった。お前に突き飛ばされて出来たっていってたぞ」
その言葉に、茉莉は最後のデートを思い出した。
二人でお喋りしながら街を歩いているとき、茉莉が毅の肩を軽く押した。あくまでも軽く。ちょっとしたツッコミのつもりだった。
その時、毅がバランスを崩して、電柱に腕を思い切りぶつけてしまったのだ。
多分、その時出来たアザだ。ある意味毅の主張は正しいと言える。
だが、あれは暴力なのだろうか。突き飛ばしたつもりなんてない。傷付ける意図なんてなかった。
私はすぐに謝ったし、毅も笑っていたはず……。
そんなことを考えているうちに、友人は言いたかった怨嗟を全て吐き出したのか、茉莉を置いて出ていってしまった。
急に最愛の人を失ったと思ったら、その最愛の人から突きつけられた最低女のレッテル。
茉莉は喫茶店のテーブルに突っ伏して、歯を食いしばり、声を殺して泣くことしかできなかった。


その日を境に、茉莉は外に出られなくなってしまった。誰もが自分のことを噂しているような気がした。
ふと利用していたSNSサービスを覗いたら、毅と見知らぬ女のツーショットを見つけてしまった。いたたまれなくなって、すぐにスマートフォンを壁に投げつけた。
スマートフォンが床に落ちて、ディスプレイに大きくヒビが入った。
彼の友人に言われた言葉が頭の中に木霊する。
暴力女、人の幸せを壊す最低の女。
こんな思いをし続けるなら、いっそ死んでしまおうか。毅への恨みつらみと、真実を遺書にしたためて。いや、ダメだ。そんなことをしても、どうせ頭のおかしい女の逆恨みだと、鼻で笑われるだけだ。

そもそも私は、暴力なんてふるってない。
でも、あの日自分は確かに毅に怪我を負わせてしまっている。
そんなつもりなんてなかった。
でも、毅が怪我をしたのは事実だ。
私は、暴力女だったのか?
頭の中でぐるぐる回る。
私は暴力女。毅に付きまとって、幸せを壊す酷い女、最低の女……。
私は暴力女、毅の幸せを壊す女……。


数年後。茉莉はすっかり元気になっていた。生き生きとした顔で微笑んでいる。そしてその隣には、不細工な男が暗い顔で佇んでいた。

不細工な男は、信じられないことに、数年前まではイケメンと呼ばれていて、大変に良くモテていた。
まだ彼がイケメンだったころ、彼は二股をかけていた。どちらにも結婚を匂わせて、女が自分から離れないようにしていた。
しかしある日、片方の女が妊娠し、結婚することになってしまった。
二股がバレてしまうのは避けたかったので、もう片方の女は暴力的な元彼女で、自分につきまとっているストーカーだと吹聴した。先日のデートでちょっと怪我をしていたのもあって、誰もが彼の言うことを信じた。
それからしばらくは、妻と幸せに暮らした。元彼女のことなんて忘れるぐらいだった。
しかし子供が生まれた頃から、その幸せが崩れ始めた。
妻は育児ノイローゼになって、「誰かが自分の後をつけてくる」「家の中に誰か入ってきている」「家のものが無くなっている」と妄想めいたことを言うようになった。妻のノイローゼは日に日に悪化していき、家事も手につかなくなり、家はあっという間に荒れていった。
彼はそんな妻と、わんわん泣き喚く子供のことが鬱陶しくなって、仕事に逃避するようになった。

家にも殆ど帰らず、食事を出来合いのものばかりで済ませていたせいか、男はどんどんと太り出した。あれほどモテていたころの面影が全くなくなった頃、妻は突然子供と一緒に自殺してしまった。
正直、肩の荷が下りたような気がした。
したくもない結婚をして、知らない奴らに自分の人生を引っ掻き回されているような気がしていたから。そんな窮屈な場所からやっと自由になれる。そう思った。
そんなとき、結婚を機に振った元彼女が彼の目の前に現れた。彼女は全く変わりなく、むしろ付き合っていた時よりも美しく見えた。
彼女は、かつての仕打ちを許してくれているのか、昔と同じように彼と接した。二人がまた付き合いだすまで、時間は掛からなかった。

しかし、付き合い出した途端、彼女は彼のことを激しく束縛するようになってしまった。一時間に一回メッセージをやりとりし、朝とお昼と夕方には、必ず電話をしなくてはならない。数分でも遅れた日には、着信履歴が彼女の名前で一杯になってしまう。携帯チェックも毎日の日課。少しでも文句を言うと、暴力を振るわれる。
彼は何度か逃げ出そうとしたが、何故か彼女に居場所がばれてしまう。まるでストーカーだ。連れ帰られると、決まってひどく暴力を振るわれるのだ。そんなことが続くと、もう逃げる気力も湧かなくなってくる。

今日もまた、彼女が彼の顔を殴る。
殴った後、彼女は嬉しそうに彼の傷の手当てをした。
そして、耳元でささやく。

「ねえ毅。私、あなたの言った通りの女になったでしょ……」







以上。
我ながらひどい妄想だ。

何か……事実無根の悪口言われたら、いっそそういうヤツになってやろうか!って思いません?茉莉ちゃんは本当にそうなってしまったんですね。

しかし、自分の薄汚い妄想を吐き出した後だと、重岡君のハッピー妄想のすごさが身に染みて分かる……。